小規模事業者持続化補助金(以下、持続化補助金)は、小さな会社が販路開拓・PRに活用でき、採択率も比較的高い身近な補助金として知られています。
創業後まもない企業は、さまざまな場面で資金が必要になりますが、実績が乏しいことから、金融機関からの融資を受けることが困難な場合も見受けられます。令和4年度に新設された「創業枠」は、そのような創業時の事業者が最大250万円まで補助を受けられる貴重な資金調達手段の一つといえるでしょう。
今回は、持続化補助金「創業枠」で最大250万円を得るために、その申請要件である「特定創業支援等事業」を含めて、概要とメリットを説明します。
創業後3年以内で販路開拓・PRの取り組みをお考えの事業者は、ぜひ本補助金をご活用ください。
持続化補助金「創業枠」とは
はじめに、持続化補助金「創業枠」の対象者・対象経費・申請要件を説明します。
対象となる小規模事業者
持続化補助金「創業枠」の対象となる「小規模事業者」とは、以下の条件を満たす事業者です。
業種 | 常時雇用する従業員の数※ |
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) | 5名以下 |
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20名以下 |
製造業その他 | 20名以下 |
※「常時使用する従業員の数」には、会社役員、個人事業主本人及び同居の従業員、アルバイト・パートで、雇用期間が2か月以下か、就業時間が「通常の従業員」の4分の3以下の者、休業・休職中の者は含みません。
対象となる経費
本補助金は、販路開拓に必要な経費を幅広くカバーしています。
例えば以下の経費が対象となります。
機械装置等費 | ・集客をあげるための設備費用(商品陳列ケース・高齢者向けの椅子・ベビーチェアなど)・生産販売拡大のための調理器具(鍋・オーブン・冷凍庫など)・新たなサービス提供のための製造・試作機械・移動販売等のための車(キッチンカー等)の内装・改造工事 ※車両本体は補助対象外です |
広報費 | ・チラシやカタログ、看板等の制作・設置の費用・新聞・雑誌等への商品・サービスの広告・販促品(商品・サービスの宣伝広告が掲載されている場合のみ) |
ウェブサイト関連費※補助金総額の4分の1(最大50万円)が上限 | ・商品販売のためのウェブサイト作成や更新・インターネット広告・商品販売のための動画作成・システム開発や構築に係る経費 ※ウェブサイト関連費のみによる申請はできません |
開発費 | ・新メニューや新商品の開発に関する費用・新製品・新商品の試作開発用の原材料の購入・新たな包装パッケージのデザイン費用 |
委託・外注費 | ・店舗の魅力を上げるための費用(外装工事、店舗やトイレの改装工事、バリアフリー化など)・インボイス制度対応のための取引先の維持・拡大に向けた専門家(税理士・公認会計士・中小企業診断士等)への相談費用 |
持続化補助金「創業枠」の主な要件
本補助金の応募にあたっては、小規模事業者であることに加えて、以下の要件を満たす必要があります。
共通要件 | ・営利法人(会社・士業法人等)、個人事業主、 一定の要件を満たすNPO法人のいずれかであること(医師・農林漁業者・医療法人・社会福祉法人等は対象外)・商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む事業であること・事業実施場所を管轄する商工会または商工会議所から、 事前に「事業支援計画書」の交付を受けていること |
「創業枠」の追加要件 | ・過去3年以内(第15回締切の場合、2021年3月14日以降)に 創業していること。申請時に創業をしていて、店舗やサービスの 開始後(お客様を受け入れられる状態になっていること)であれば、申請が可能です。・「特定創業支援等事業」による支援を受けること。 創業時に必要な計画作成や販路開拓を実施する際に、指導や助言を 受けることが求められます。 |
今年度の募集スケジュール
直近の公募は以下の通りですが、以降も継続して公募が予定されています。
公募回 | 締切日 | 「事業支援計画書」交付依頼締切(商工会・商工会議所) |
第15回 | 2024年3月14日(木) | 原則2024年3月7日(木) |
尚、小規模事業者持続化補助金についての詳細は、ガイドブックが用意されていますのでご参照ください。
https://s23.jizokukahojokin.info/doc/s23_guidebook_ver11.pdf
持続化補助金「創業枠」のメリット
次に、持続化補助金「創業枠」のメリットを説明します。
「創業枠」は事業計画さえしっかり作成していれば、実績がない小規模事業者でも、十分に採択が狙える補助金です。
創業時の大きな資金調達源
「創業枠」は要件を満たすことで「通常枠」の上限額50万円の4倍である200万円、さらにインボイス要件を満たせば最大250万円となります。
申請時点で店舗やサービス等の事業を始めている開業3年以内の事業者が申請可能であり、返済が不要であることから創業時の資金調達手段として大きなメリットがあります。
幅広い取り組みに活用できる
また、創業時の最も大きな悩みは「お客様がいない」ことですが、「創業枠」は、看板を立てる・チラシを配る・店舗を改装する・セミナーを開く・きれいなパッケージをデザインするなど、お客様を掴むための幅広い取り組みに活用できるのが魅力的です。
いわば「国の創業補助金」のようなものであり、これを見逃す手はありません。
指導や助言を受けられる
さらに「創業枠」では、「特定創業支援等事業」による支援を受けることが求められています。
補助金の活用だけでなく、事業計画作成や販路開拓などに関する指導や助言を受けられることも、大きなメリットです。
※持続化補助金「創業枠」の詳細については、下記ページをぜひご参照ください!
特定創業支援等事業について
次に、持続化補助金「創業枠」の申請要件となっている特定創業支援等事業とは何か、また、この支援を受けるメリットを説明します。
「特定創業支援等事業」とは
国の認定を受けた市区町村または連携する事業者による、創業を支援する取組みです。
内容は市区町村によって異なりますが、集合研修(創業セミナー・創業スクール)や相談員による個別相談等の形式により、以下を実施します。
・創業に必要な知識の習得(経営・財務・販路開拓・人材育成)
・創業計画書の作成支援
「特定創業支援等事業」のメリット
本事業を修了して「証明書」を得ると、「創業枠」の申請要件を満たすことの他に、以下のような多くのメリットもあります。
①会社設立時の登録免除税が半額になる
②資金を有利に借りられる
・日本政策金融公庫の「新規開業資金」の金利引下げ等、創業向け融資制度で優遇されます。
・自治体の創業融資制度を利用できます。
例)渋谷区 無担保・第三者保証人なしの創業関連保証枠を利用した融資に事業開始前に申込む場合、特例により前倒しで申込み可能等
③自治体の創業者向け補助金・助成金の応募資格を得られる
・東京都「創業助成金」
・我孫子市「創業支援補助金制度」
・横浜市「商店街空き店舗活用事業(空き店舗開業助成事業)」
など、持続化補助金以外にも、自治体が設けている創業者向け補助金・助成金の応募資格を得ることができます。
※「創業枠」の申請には、特定創業等支援事業こmを受けた証明書が必要です。詳細はぜひ、下記記事をご参照ください。
まとめ
今回は、「特定創業支援等事業」を含めた、持続化補助金「創業枠」のメリットと概要をご紹介しました。
開業3年以内の事業者様は、ぜひとも申請をご検討ください。
持続化補助金申請支援サービス
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