事業再構築補助金

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事業再構築補助金とは

ポストコロナ・ウィズコロナ時代の新たな取り組みに対して、最大1億円の補助がある補助金です!

ポストコロナ・ウィズコロナ時代に対応した大胆な取り組みを図る事業者を支援するために、新分野展開業態転換事業・業種転換事業再編国内回帰又はこれらの取組を通じた規模の拡大等、新たな挑戦を目指す中小企業を対象に、最大で5億円の補助が出ます。

2023年度は大幅な改訂が行われています。

事業再構築補助金の概要

新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、当面の需要や売上の回復が期待し難い中、ウィズコロナ・ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応するために新市場進出(新分野展開、業態転換)、事業・業種転換、事業再編、国内回帰又はこれらの取組を通じた規模の拡大等、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援することで、日本経済の構造転換を促すことを目的としています。

第10回公募からは、コロナや物価高等により依然として業況が厳しい事業者への支援として「物
価高騰対策・回復再生応援枠」を措置することに加え、産業構造の変化等により事業再構築が強く
求められる業種・業態の事業者への支援として「産業構造転換枠」、海外で製造する部品等の国内
回帰を進め、国内サプライチェーン及び地域産業の活性化に取り組む事業者(製造業)への支援と
して「サプライチェーン強靱化枠」、成長分野への事業再構築を支援するべく売上高等減少要件を
撤廃した「成長枠」を新設するなど、ポストコロナ社会を見据えた未来社会を切り拓くための取組
を重点的に支援していくとされています。

申請要件

申請にあたっては、以下の要件を満たす必要があります。

  • 経済産業省が示す「事業再構築指針」に沿った3~5年の事業計画書を作成し、認定経営革新等支援機関の確認を受けていること
  • 補助事業終了後3〜5年で付加価値額を年率平均3.0%〜5.0%(事業類型により異なる)以上増加させること、又は従業員一人当たり付加価値額を年率平均3.0%〜5.0%(事業類型により異なる)以上増加させること

*付加価値額とは、営業利益、人件費、減価償却費を足したもの

類型

2023年5月現在、事業再構築補助金には、「成長枠」、「グリーン成長枠」、「卒業促進枠」、「大規模賃金引上促進枠」 「産業構造転換枠」、「サプライチェーン強靱化枠」、「最低賃金枠」及び「物価高騰対策・回復 再生応援枠」の8つの事業類型があります。

基本的には各事業類型への応募は、1回の公募につき1申請となります。(複数の事業を計画している場合は、事業計画書中に複数の計画の内容を記載して申請することは可能)

一度交付決定を受けた事業者は、原則再度申請することはできません。ただし、「グリーン成長枠」、「産業構造転換枠」、「サプライチェーン強靱化枠」については、一定の条件を満たす場合に限り、既に補助金交付候補者として採択されている又は交付決定を受けている事業者においても申請が可能です。

①成長枠
■概要:
成長分野への大胆な事業再構築に取り組む中小企業等を支援
■補助金額:
【従業員数 20 人以下】 100 万円 ~ 2,000 万円
【従業員数 21~50 人】 100 万円 ~ 4,000 万円
【従業員数 51〜100人】 100 万円 ~ 5,000 万円
【従業員数 101人以上】 100 万円 ~ 7,000 万円
■補助率:
中小企業者等 1/2(大幅な賃上げ(※)を行う場合は2/3)
中堅企業等 1/3(大幅な賃上げ(※)を行う場合は1/2)
(※)事業終了時点で、①事業場内最低賃金+45 円、②給与支給総額+6%を達成すること。
■補助事業実施期間:
交付決定日~12か月以内(ただし、採択発表日から14か月後の日まで)
■補助対象経費:
建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費
②グリーン成長枠
■概要:
研究開発・技術開発又は人材育成を行いながら、グリーン成長戦略「実行計画」14 分野の課題の解決に資する取組を行う中小企業等の事業再構築を支援
■補助金額:
(エントリー)
中小企業者等
【従業員数 20 人以下】100 万円 ~ 4,000 万円
【従業員数 21~50 人】100 万円 ~ 6,000 万円
【従業員数 51 人以上】100 万円 ~ 8,000 万円
中堅企業等
100 万円 ~ 1 億円
(スタンダード)
中小企業者等 100 万円 ~ 1 億円
中堅企業者等 100 万円 ~ 1.5 億円
■補助率:
中小企業者等 1/2(大幅な賃上げ(※)を行う場合は2/3)
中堅企業等 1/3(大幅な賃上げ(※)を行う場合は1/2)
(※)事業終了時点で、①事業場内最低賃金+45 円、②給与支給総額+6%を達成すること。
■補助事業実施期間:
交付決定日~14か月以内(ただし、採択発表日から16か月後の日まで)
■補助対象経費:
建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費
③卒業促進枠
■概要:
成長枠・グリーン成長枠の補助事業を通して、中小企業等から中堅企業等に成長する事業者に対する上乗せ支援
■補助金額:
成長枠・グリーン成長枠の補助金額上限に準じる
■補助率: 
中小企業者等 1/2
中堅企業等 1/3
■補助事業実施期間:
交付決定日~成長枠・グリーン成長枠の事業計画期間終了まで
■補助対象経費:
成長枠・グリーン成長枠の補助対象経費に準じる

<注意事項>
①成長枠又は②グリーン成長枠に申請する事業者は、上乗せ枠である③卒業促進枠又は④大規模賃金引上促進枠に追加で申請することが可能です。ただし、③卒業促進枠又は④大規模賃金引上促進枠の申請は、①成長枠又は②グリーン成長枠の申請と同時に行わなければなりません。また、③卒業促進枠及び④大規模賃金引上促進枠の両方に追加申請することはできません。
④大規模賃金引上促進枠
■概要:
成長枠・グリーン成長枠の補助事業を通して、大規模な賃上げに取り組む事業者に対する上乗せ支援
■補助金額:
100 万円 ~ 3,000 万円
■補助率:
中小企業者等 1/2
中堅企業等 1/3
■補助事業実施期間:
交付決定日~成長枠・グリーン成長枠の事業計画期間終了まで
■補助対象経費:
成長枠・グリーン成長枠の補助対象経費に準じる

<注意事項>
①成長枠又は②グリーン成長枠に申請する事業者は、上乗せ枠である③卒業促進枠又は④大規模賃金引上促進枠に追加で申請することが可能です。ただし、③卒業促進枠又は④大規模賃金引上促進枠の申請は、①成長枠又は②グリーン成長枠の申請と同時に行わなければなりません。また、③卒業促進枠及び④大規模賃金引上促進枠の両方に追加申請することはできません。
⑤産業構造転換枠
■概要:
国内市場縮小等の構造的な課題に直面している業種・業態の中小企業等が取り組む事業再構築を支援
■補助金額:
【従業員数 20 人以下】 100 万円 ~ 2,000 万円
【従業員数 21~50 人】 100 万円 ~ 4,000 万円
【従業員数 51~100 人】 100 万円 ~ 5,000 万円
【従業員数 101 人以上】 100 万円 ~ 7,000 万円
※廃業を伴う場合には、廃業費を最大 2,000 万円上乗せ
■補助率:
中小企業者等 2/3
中堅企業等 1/2
■補助事業実施期間:
交付決定日~12か月以内(ただし、採択発表日から14か月後の日まで)
■補助対象経費:
建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費、廃業費
⑥サプライチェーン強靱化枠
■概要:
海外で製造する部品等の国内回帰を進め、国内サプライチェーンの強靱化及び地域産業の活性化に資する取組を行う中堅・中小企業者等に対する支援
■補助金額:
1,000 万円 ~ 5億円以内
※建物費がない場合は3億円以内
■補助率:
中小企業者等 1/2
中堅企業等 1/3
■補助事業実施期間:
交付決定日~28か月以内(ただし、採択発表日から30か月後の日まで)
■補助対象経費:
建物費、機械装置・システム構築費
⑦最低賃金枠
■概要:
最低賃金引上げの影響を受け、その原資の確保が困難な特に業況の厳しい中小企業等の事業再構築を支援
■補助金額:
【従業員数 5 人以下】 100 万円 ~ 500 万円
【従業員数6~20 人】 100 万円 ~ 1,000 万円
【従業員数 21 人以上】 100 万円 ~ 1,500 万円
■補助率:
中小企業者等 3/4
中堅企業等 2/3
■補助事業実施期間:
交付決定日~12か月以内(ただし、採択発表日から14か月後の日まで)
■補助対象経費:
建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費
⑧物価高騰対策・回復再生応援枠
■概要:
業況が厳しい事業者や事業再生に取り組む中小企業等、原油価格・物価高騰等の影響を受ける中小企業等の事業再構築を支援
■補助金額:
【従業員数 5 人以下】 100 万円 ~ 1,000 万円
【従業員数6~20 人】 100 万円 ~ 1,500 万円
【従業員数 21~50 人】 100 万円 ~ 2,000 万円
【従業員 51 人~】 100 万円 ~ 3,000 万円
■補助率:
中小企業者等 2/3(※1)
中堅企業等 1/2(※2)
(※1)従業員数 5人以下の場合400万円、従業員数6~20人の場合600万円、従業員数21~50人の場合800万円、従業員数51人以上の場合は1,200万円までは3/4
(※2)従業員数 5人以下の場合400万円、従業員数6~20人の場合600万円、従業員数21~50人の場合800万円、従業員数51人以上の場合は1,200万円までは2/3
■補助事業実施期間:
交付決定日~12か月以内(ただし、採択発表日から14か月後の日まで)
■補助対象経費:
建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費

中小企業・中堅企業の定義

中小企業・中堅企業の定義は以下になります。

<中小企業>

以下の資本金の額もしくは従業員の数のいずれかを満たす場合、中小企業と定義します。

資本金(または出資総額)常時使用する従業員の数
①製造業・建設業・運輸業・その他の業種(②~④を除く)
3億円以下

300人以下
②卸売業
1億円以下

100人以下
③サービス業
5,000万円以下

100人以下
④小売業
5,000万円以下

50人以下

<中堅企業>

上記中小企業にあてはまらず、資本金額又は出資の総額が10億円未満の法人が中堅企業となります。

事業再構築補助金の申請には「GビズID」が必要

事業再構築補助金の申請を行うためには、gBizIDプライムアカウントが必要となります。

「GビズID」の発行は申込みから数週間かかるため、まだお持ちでない場合は、事前に用意しておきましょう。GビズIDについては以下のページで詳しく紹介しています。

「GビズID」の概要および取得方法
最近多くの補助金で「GビズID」を使って申請する方式が取られるようになってきています。実はIT導入補助金、事業承継引き継ぎ補助金などの補助金の申請だけではなく、社会保険手続き、経営力向上計画の申請、賃貸住宅管理業登録等電子申請システムの利用...

事業再構築補助金ホームページ

以下のページが事業再構築補助金の公式ホームページとなります。

事業再構築補助金

産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース)について

令和5年4月1日以降に「物価高騰対策・回復再生応援枠」および「最低賃金枠」に申請している場合、本助成金の適用を受けることができる可能性があります。

本助成金の概要

産業雇用安定助成金は、企業が雇用を維持するために支援を受けることができる制度の一つです。この制度は、労働者の雇用を守り、企業の経営安定を支えることを目的としています。今年度から「事業再構築支援コース」が新設されました。

産業雇用安定助成金「事業再構築支援コース」の要件

助成対象となるのは以下のとおりです。

①令和5年4月1日以降に中小企業庁が実施する「事業再構築補助金」第10回公募の「物価高騰対策・回復再生応援枠」および「最低賃金枠」に申請している。

②事業計画に記載する「実施体制」の中に人材確保に関する事項を記載し、応募書類を提出し、交付決定を受けている。

③「労働者」の雇入れにあたって、次のa~cまでの全ての条件を満たしている。

a. 雇用保険の一般被保険者または高年齢被保険者として雇い入れること
b. 期間の定めのない労働契約を締結する労働者(パートタイム労働者は除く)として雇い入れること
c. 「事業再構築補助金」の補助事業実施期間の初日から当該期間の末日までに雇い入れること

④「労働者」の雇入れ日前6か月から本助成金の支給申請までの期間に、雇用する労働者を解雇等していないこと

そして、上記の「労働者」にも要件があります。

「事業再構築補助金」の交付決定を受けた事業に関する業務に就く者であって、以下の①と②に該当する者と規定されています。

①次のaかbのいずれかに該当する者

a. 専門的な知識や技術が必要となる企画・立案、指導(教育訓練等)の業務に従事する者
b. 部下を指揮および監督する業務に従事する者で、係長相当職以上の者

② 1年間に350万円以上の賃金が支払われる者

※350万円は、毎月決まって支払われる基本給および諸手当に限ります。時間外手当及び休日手当は含みません。また助成金の支給については、支給対象期間に支払われた賃金が175万円以上の者に限ります。

助成額

中小企業中小企業以外
助成額280万円/人
(140万円×2期)
200万円/人
(100万円×2期)
助成対象期間1年1年

※一事業主あたり5人までの支給に限ります
※雇入れから6か月を支給対象期の第1期、次の6か月を第2期として、6か月ごとに2回に分けて支給します

条件が厳しく規定されていますが、事業再構築補助金「物価高騰対策・回復再生応援枠」および「最低賃金枠」で申請予定の会社には、狙い目の助成金です。

併せてご活用をご検討ください!

産業雇用安定助成金(雇用維持支援コース)

事業再構築補助金申請支援サービス

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