最近多くの補助金で「GビズID」を使って申請する方式が取られるようになってきています。実はIT導入補助金、事業承継引き継ぎ補助金などの補助金の申請だけではなく、社会保険手続き、経営力向上計画の申請、賃貸住宅管理業登録等電子申請システムの利用など、様々な行政の手続きが可能になってきています。補助金申請については、電子申請システム「Jグランツ」が導入されていますので、このアカウントの取得が必須条件となっているものも増えてきています。
今後もGビズIDを利用する機会が増えてくると見込まれますので、アカウントの取得と利用をお勧めします。
2021年9月のデジタル庁発足に伴い、行政手続きのデジタル化が進む見込みです。GビズIDはそのデジタル化の中心に位置づけられるアカウントですので、今後の広がりに期待です。
「GビズID」の種類
「GビズID」には3種類のアカウントがあり、「gbizIDプライム」「gbizIDメンバー」「gbizIDエントリー」となっています。
申請内容によって利用できるアカウントが異なりますので、申請しようとしている手続きに必要なアカウントを事前に取得しておく必要があります。
「GビズID」にある3種類のアカウント
上述の通り、「GビズID」には「gbizIDプライム」「gbizIDメンバー」「gbizIDエントリー」という3種類のアカウントがあります。いずれもアカウントの取得は無料です。
gbizIDプライム
「gbizIDプライム」は、書類審査が必要なアカウントであり、すべての電子申請が可能となっています。
アカウントを作成するためには印鑑証明書(印鑑登録証明書)、登録印鑑を押印した申請書を運用センターに提出することが必要であり、2週間程度の審査の後に利用できるようになるものです。
こちらのアカウントは、法人の代表者や個人事業主に限って、登録できるようになっています。
なお、新型コロナウイルス感染症対策としての電子申請の需要増加に伴い、プライムアカウントに関する申請、及びお問合せが大変多くなっているということで、審査については、書類に問題がない場合は1週間程度でアカウントを発行しておりますが、書類に不備がある(印鑑証明書が同封されていない、申請書と印鑑証明書の印鑑が異なる等)、既にアカウントをお持ちの方による重複申請の場合には、その不備内容やアカウント保有状況確認のため時間がかかるというアナウンスがGビスIDのウェブサイトに掲載されています。(2021年10月現在)
申請の際は、必ず事前に申請方法やアカウント保有状況をご確認しましょう。また、余裕を持った申請を行いましょう。
gbizIDメンバー
「gbizIDメンバー」は、法人の従業員が活用できるアカウントになります。
そのため、まず「gbizIDプライム」のアカウントを作成してから、各従業員の「gbizIDメンバー」アカウントを作成することになります。
「gbizIDメンバー」アカウントでは、「gbizIDプライム」の利用者が許可したサービスだけが利用できるようになっています。
社長自ら申請を行うのであればプライムアカウントがあれば問題ありません。従業員に申請を任せるのであればメンバーアカウントの取得をしておきましょう。
gbizエントリー
「gbizIDエントリー」は、もっとも手軽に作れるアカウントになります。
書類の提出や審査は不要となっており、インターネット上においてメールアドレスがあればアカウントを作成することができます。
「GビズID」マイページへのログインや行政システムのログインができるアカウントになっており、一部の行政サービスを受けることもできます。
「GビズID」で利用できる行政サービス
行政サービス | gBizIDプライム | gBizIDメンバー | gBizIDエントリー |
jGrants | ○ | ○ | – |
社会保険手続きの電子申請 | ○ | ○ | – |
保安ネット | ○ | ○ | ○ |
農林水産省共通申請サービス | ○ | ○ | ○ |
ミラサポplus | ○ | ○ | ○ |
省エネ法定期報告書情報提供システム | ○ | ○ | – |
鉱業原簿登録更新サイト | ○ | ○ | – |
事業承継・引継ぎ補助金 | ○ | – | – |
経営力向上計画申請プラットフォーム | ○ | ○ | ○ |
IT導入補助金 | ○ | – | – |
情報処理支援機関【スマートSMEサポーター】認定制度 | ○ | ○ | – |
認定経営革新等支援機関電子申請システム | ○ | ○ | – |
食品衛生申請等システム | ○ | ○ | ○ |
DX推進ポータル | ○ | ○ | ○ |
TeCOT(海外渡航者新型コロナウイルス検査センター) | ○ | ○ | ○ |
e-Gov | ○ | ○ | ○ |
栃木県地域企業感染症対策支援補助金総合サイト | ○ | – | – |
事業継続力強化計画電子申請システム | ○ | ○ | – |
Gビズフォーム | ○ | ○ | ○ |
石油流通ネット | ○ | ○ | – |
再生可能エネルギー電子申請システム | ○ | ○ | – |
肥料登録システム | ○ | – | – |
賃貸住宅管理業登録等電子申請システム | ○ | ○ | – |
金融庁電子申請・届出システム | ○ | ○ | ○ |
大阪市行政オンラインシステム | ○ | ○ | ○ |
感染症対策新事業展開支援補助金申請サイト(栃木県) | ○ | – | – |
補助金に関連するところで言えばjGrants(Jグランツ)です。Jグランツとは経済産業省が運営する補助金電子申請システムであり、24時間265日、手続きや申請ができることに加え、審査結果や交付までの状況を確認することが可能となっています。また、補助金の交付申請、実績報告、請求など、一連の流れをすべてアカウント内で処理できるので非常にベンチです。
加えて、自社や個人事業にあった代表的な補助金を簡単に検索することができますので、使い慣れると良いでしょう。
なお、Jグランツで申請を行うには、「gBizIDプライム」もしくは「gBizIDメンバー」のアカウントを取得しておく必要があります。
「GビズID」のアカウント取得方法
上述の通り、3種類のアカウントが存在しますので、自身が利用したい手続きに対応するアカウントを取得しましょう。「gbizIDプライム」については申請から不備がなければ1週間程度、「gbizIDメンバー」は「gbizIDプライム」アカウントの取得が必要となります。「gbizIDエントリー」は即日で発行可能です。
gbizIDプライムのアカウント取得方法
「gbizIDプライム」については、事前に以下のものを準備しておきます。
- スマートフォンもしくは携帯電話
- 法人であれば印鑑証明書+代表者印
- 個人であれば印鑑登録証明書+個人の実印
証明書は3ヶ月以内に発行されたもののみ有効です。
これらの準備をしたうえで、GビズIDのトップページから「gbizIDプライムID作成」ボタンをクリックします。
ここからは、次の流れで登録手続きを行います。
- 法人、個人事業主ともに必要な情報を入力
- 規約を確認後、同意するにチェックして「申請書作成」をクリック
- 内容を確認後、「OK」を押す
- 申請書をダウンロード
- ダウンロードした申請書を印刷
- 「作成日」に手書きで作成日を記入、「実印欄」に法人の場合は「印鑑証明書」の代表者印、個人の場合は「印鑑登録証明書」の実印を押印。記載内容と異なる連絡先に連絡希望の方は「連絡先担当者情報」欄を記入。
- 押印した申請書と印鑑証明書もしくは印鑑登録証明書を「GビズID運用センター(〒530-8532 GビズID運用センター宛)」に送付
これで申請作業は完了です。
補助金申請書の審査状況については、GビズIDサイトのトップページ「申請状況確認」ボタンをクリックし、申請時に入力したアカウントID(メールアドレス)と代表者の生年月日またはSMS受信用電話番号を使用して検索することができます。
gbizIDエントリーのアカウント取得方法
「gbizIDエントリー」はとても簡単に登録することができ、即日でアカウントを取得することができます。
専用サイトからメールアドレスを登録すると、「【GビズID】アカウント情報登録手続きURLのお知らせ」という内容のメールが届きます。
メールに記載されているURLをクリックすると、「gBizIDエントリーアカウント新規登録」画面が現れます。
あとは、法人や個人事業主の基本情報を入力し、パスワードを設定するだけでアカウントを取得することができます。
以上、gbizIDをぜひご活用ください。