創業して間もない事業者が、チラシ、看板、ホームページ、店舗の改装などで販路を広げるときに使えるのが、小規模事業者持続化補助金の<創業型>です。一般型とは別に公募されています。
この記事では、2026年11月に申請受付が始まる第4回公募について、対象者、補助額、申請の流れ、つまずきやすい点をまとめます。
数字は第4回公募要領(第8版)から取っています。細かい条件は公募要領が正本ですので、申請の前に最新版をご確認ください。
持続化補助金そのものの仕組みは、小規模事業者持続化補助金の解説で扱っています。
持続化補助金<創業型>第4回の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助上限 | 200万円(インボイス特例の要件を満たすと50万円上乗せ。最大250万円) |
| 補助率 | 2/3 |
| 対象経費 | 機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費 |
| 申請受付 | 2026年11月5日から2026年12月15日 17:00まで |
| 事業支援計画書(様式4)の発行受付締切 | 2026年12月4日 |
| 採択発表 | 2027年3月頃の予定 |
| 補助事業の実施期限 | 2028年3月31日 |
| 申請方法 | 電子申請のみ(GビズIDプライムが必要) |
補助金は後払いです。いったん全額を自社で支払い、事業が終わってから実績報告をして、確定した額を受け取ります。審査があり、不採択になる場合もあります。公式の案内は小規模事業者持続化補助金<創業型>事務局のページにあります。第4回の申請先は、公募要領の時点では「現在調整中」と書かれています。
対象になる事業者と申請要件
小規模事業者であること
常時使用する従業員の数が、次の人数以下の事業者が対象です。
| 業種 | 常時使用する従業員の数 |
|---|---|
| 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) | 5人以下 |
| サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
| 製造業その他 | 20人以下 |
会社役員や同居の親族従業員は、従業員の数に含めません。会社(士業法人を含む)、商工業を営む個人事業主、一定の要件を満たすNPO法人が対象で、医師、一般社団法人、医療法人、社会福祉法人などは対象外です。
申請の時点で開業していない創業予定者は対象外です。開業届を出していても、届出上の開業日が申請日より後なら対象になりません。ただし、店舗がオープン準備中の事業者のように、事業活動をまだ始めていない場合でも、補助事業が終わるまでに商品やサービスの提供を始めれば対象になりえます。
特定創業支援等事業の支援を受けた日と開業日が「過去1か年」にあること
創業型の申請要件は、市区町村が実施する特定創業支援等事業による支援を受けた日と、開業日(法人は設立年月日)の両方が、公募締切時から起算して過去1か年の間にあることです。第4回の期間は次のとおりです。
| 受付締切回 | 受付締切日 | 過去1か年の期間 |
|---|---|---|
| 第4回 | 2026年12月15日 | 2025年12月15日から2026年12月15日 |
- 特定創業支援等事業は、産業競争力強化法に基づく「認定市区町村」、または認定市区町村と連携した「認定連携創業支援等事業者」が実施するものに限ります。受けたことは、認定市区町村が発行した証明書の写しで示します
- 支援を受けた地域とは別の地域で創業した場合も対象です
- 法人は代表者本人、個人事業主は本人が支援を受けている必要があります。代表者以外の役員や従業員、家族専従者が受けた支援では要件を満たしません
- 開業日は、法人は登記事項証明書の「会社成立の年月日」、個人事業主は開業届の「開業・廃業等日」で判断します。書類の発行日や提出日ではありません。個人事業を法人化した場合は、個人事業の開業日から1年を経過していると申請できません
- 過去に創業型で採択されて事業を実施した事業者は、個人事業主も法人も申請できません。一般型 通常枠で申請中、採択を受けている、または採択を受けて事業を実施した事業者は、創業型の対象外です。一般型との重複申請もできません
証明書の中身や取り方は、「特定創業支援等事業」証明書とは?特典と取り方にまとめています。受講の回数や窓口は市区町村ごとに違うため、創業する市区町村が認定を受けているかは、中小企業庁の創業支援等事業計画のページで調べられます。証明書の有効期限が切れていても、要件に合っていれば提出書類として認められます。
補助額と補助率
補助上限は200万円、補助率は2/3です。対象経費の合計に2/3をかけた額が、上限の範囲で補助されます。
インボイス特例で50万円上乗せ
2023年10月1日以降に創業した事業者のうち、補助事業の終了時点で適格請求書発行事業者の登録を受けている場合は、補助上限が一律50万円上乗せされ、最大250万円になります。申請時に様式2でインボイス特例の希望にチェックし、「インボイス特例の申請に係る宣誓・同意書」(様式9)を出します。
注意したいのは、特例を希望したのに補助事業の終了時点で要件を満たしていない場合です。上乗せ分だけでなく、補助金の全体が交付されません。登録をまだしていない方は、申請前に登録の予定を決めておいてください。
対象になる経費
対象経費は8区分あり、申請書に書いた経営計画に基づく取り組みの経費に限ります。
- 機械装置等費:集客のための設備、調理器具、製造・試作機械など。パソコン、タブレット、事務用プリンターのように汎用性の高い機器は対象外です
- 広報費:チラシ、看板、新聞・雑誌広告、インターネット広告など。広報費に係る補助金の交付申請額の上限は30万円(税込)で、広報費だけの申請はできません
- ウェブサイト関連費:ウェブサイトやECサイト、システムの開発・更新など。ウェブサイト関連費に係る補助金の交付申請額の上限は30万円(税込)で、これだけでの申請はできません
- 展示会等出展費、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費:店舗の改装工事や、インボイス制度対応のための取引先の維持・拡大に向けた専門家への相談費用など。一般的なコンサルティングやアドバイスの費用は対象外です
区分ごとの対象例と対象外の例は、公募要領の「7.補助対象経費」に細かく載っています。発注、契約、支払いを交付決定日より前にした経費は対象外ですので、採択通知が届いた時点で動き出さないようにしてください。例外は展示会等の出展で、出展の申込みだけは交付決定前でもかまいませんが、請求書の発行日と支払日は交付決定日以後である必要があります。
申請の流れとスケジュール
- GビズIDプライムのアカウントを取る(取得に数週間程度かかります)
- 経営計画と補助事業計画(様式2、3)を作る
- 地域の商工会・商工会議所に事業支援計画書(様式4)の発行を依頼する(発行の受付締切は2026年12月4日)
- 事業支援計画書を含む申請書類を、電子申請システムで提出する(締切は2026年12月15日 17:00)
- 採択後に見積書等を出し、交付決定を受ける。交付決定日から補助事業を始める
- 補助事業を終えたら実績報告書を出し、補助金額の確定を受けて請求する。終了から1年後に事業効果の報告も必要です
採択発表は2027年3月頃の予定で、交付決定は採択発表から1〜2か月かかる場合があります。補助事業の実施期限は2028年3月31日、実績報告書の提出期限は2028年4月10日です。実施期間の途中で補助事業が終わった場合は、支払いまで含めて終わった日から30日を経過した日と、この期限のいずれか早い日までに出します。事業支援計画書は、受付締切を過ぎるといかなる理由があっても発行を依頼できません。計画づくりに時間がかかるので、締切の数週間前には商工会・商工会議所へ相談に行く段取りにしておくと安全です。
つまずきやすい点
- 支援を受けた日と開業日の片方だけが過去1か年に入っていても、要件を満たしません。創業の時期と受講の時期を、日付で並べて確認してください
- 代理人だけでは、商工会・商工会議所への相談や事業支援計画書の依頼ができません。申請者本人が支援を受けながら進める事業だからです
- 第三者に計画づくりの支援を受けた場合は、様式2の確認事項に相手方と支援に係る金額を書く必要があります。記載がないと、虚偽の報告として不採択や交付決定の取消になります
- インボイス特例を希望したのに、補助事業の終了時点で適格請求書発行事業者になっていないと、補助金の全体が交付されません
- 単価50万円(税抜き)以上の機械装置などは「処分制限財産」にあたり、補助金を受け取った後も、勝手に売却や廃棄ができません
よくある質問
Q. 開業前の創業予定者でも申請できますか?
申請時点で開業していない創業予定者は対象外です。開業日が申請日より後の場合も同じです。開業後、過去1か年の期間に支援を受けた日と開業日の両方が入る時期に申請してください。
Q. 創業から1年を過ぎていたら、持続化補助金は使えませんか?
創業型は使えませんが、一般型 通常枠の対象になる場合があります。ただし創業型と一般型の重複申請はできず、創業型で採択を受けて事業を実施した事業者は、創業型に再び申請できません。どちらを使うかは、開業日と今後の計画で決まります。
Q. 最大250万円は、申請すれば全員が受け取れますか?
いいえ。補助率は2/3で、上限の範囲内で経費の一部が補助されます。250万円は、インボイス特例の要件を満たした場合の上限額です。審査があるため、申請しても採択されない場合があります。
申請の相談
創業の時期、支援を受けた日、インボイスの登録のタイミングによって、使える公募回や申請の段取りが変わります。第4回の締切に間に合うかを整理したい場合は、補助金・助成金の相談ページからご連絡ください。補助金は補助金データベースでも探せます。なお、事業支援計画書の発行は申請者本人が商工会・商工会議所に依頼する必要があります。
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