今回は、経済産業省から公表された「令和7年度補正予算案」をもとに、中小企業支援策の情報をプロが読み解きました。
尚、補助金の詳細情報は、次回改めてご案内します。
補正予算とは?
年度の途中に追加で必要となる歳費を賄うため、国が新たに計上する予算のことです。
11月28日に閣議決定された令和7年度補正予算案は、経済産業省関連だけで約2.7兆円規模となっています。
この補正予算案を読み解くことで、「来年度どの分野に国の資金が重点投入されるか」、つまり、今後の補助金などの方向性を事前に把握できます。
今回の補正予算案の特徴(前年度との比較)
令和6年度の補正予算と比較すると、令和7年度補正予算の方針は大きく転換されました。
概要は以下のURLをご参照ください。
詳細に関しては、以下の(1)〜(3)でご説明します。
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r8/r7_hosei.pdf
(1)省力化投資支援の強化
令和7年度補正予算案では、省力化投資単体で約1,800億円の予算となっています。
ロボット・自動化ラインなど、人手不足解消や生産性向上に直結する投資を、重点的に支援する方針が示されています。
(2)成長投資支援の拡大
昨年度、中堅企業の成長ステージを想定した投資支援は限定的でした。
一方で令和7年度の予算規模は4,121億円(既存基金含む)となりました。
これにより、売上高10億円から100億円までの中堅企業を国が本格的に後押しする方針が明確になりました。
(3)賃上げ実現性の重視
賃上げは昨年度も重要テーマでしたが、令和7年度の予算案では、生産性向上と賃上げの連動性が明確に求められています。
例えば、補助金の審査において賃上げの実現可能性が、より重要な評価ポイントとなることが想定されます。
各補助金への影響
ものづくり補助金が再編・統合の可能性
今回の予算案から「ものづくり補助金」という名称が消え、代わりに省力化投資や成長投資が、中心施策として掲げられました。
これにより、10年以上続くものづくり補助金が他の補助金に再編または統合される可能性があります。
デジタル化・AI導入補助金
従来のIT導入補助金の名称が、「デジタル化・AI導入補助金」に変更されています。
積極的にAIを活用する業務効率化など、より広範なデジタル化が補助対象となる可能性が示唆されています。
省力化投資補助金は早期の申請がお薦め
ポストものづくり補助金との呼び声が高い省力化投資補助金は、既存基金から約1,800億円の予算が確保されています。
申請が集中する可能性が高いため、早めの検討をお薦めします。
大規模成長投資補助金と100億宣言
中堅企業の成長を後押しするため、100億宣言をした企業向けに、通常予算とは別に1,000億円規模の予算が記載されています。
そのため、大規模成長投資補助金を申請する際は、事前に100億宣言も申請することをお薦めします。
今からできる準備
令和7年度補正予算案が国会で成立されたら、早ければ今月に公募が開始される補助金も予想されるため、事前の準備が非常に重要となります。
以下に留意点を記載しておきます。
自社の棚卸し
自社の強み・弱み、事業環境や収益構造などの棚卸しを行い、今後の経営方針と投資計画をまとめておくことが重要です。
これらは、すべてに共通する、準備の第一歩です。
賃上げ
賃上げは、多くの補助金の基本要件となりつつあります。
利益確保と人件費のバランスを踏まえ、どのように賃上げを実現していくかを、検討する必要があります。
設備投資の検討
どのような設備を導入するかの検討には、時間を要することが多いため、早めに情報収集しておくことが重要です。
高額な設備投資を検討している場合は、複数社の比較を行える状態にしておきましょう。
補助金ごとの準備
申請する制度ごとに要件や提出資料が異なるため、過去の公募要領等をもとにした準備が重要です。
省力化投資補助金の場合
設備投資による省力化の効果が重要なため、現在の工程の詳細把握や、導入設備の検討が欠かせません。
大規模成長投資補助金の場合
中期的な市場機会・競争優位性・財務基盤を踏まえた、より高度な事業計画が必要です。
特に賃上げ要件の厳格化を踏まえ、生産性向上と賃上げを両立できる収支計画が必要です。
まとめ
令和7年度補正予算案では、省力化・成長投資・賃上げが重要テーマとして明確に示されました。
情報を早期に把握し、余裕を持って準備を進めましょう。
次回は2026年に公募が予想される主な補助金の詳細をご案内します。お楽しみに!
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