知ってましたか?自費診療でも医療費控除が使えます。

iryouhikoujo ライフプラン
この記事は約4分で読めます。

年末になってくると確定申告の季節です。自費診療でも医療費控除を使えるものがあることを知っておくと節税になりますので、ぜひ賢く使ってください。

例えばレーシックの手術や歯のインプラント治療。

最近では多くの方が利用するようになってきましたが、これらは自費診療(自由診療)となり、公的な医療保険が効かず、治療費が高額になりがちです。

しかし、自費診療であっても医療費控除の対象となるものがありますので、しっかり活用していきましょう。

医療費控除について

自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合には、一定の金額の所得控除を受けることができます。これを医療費控除と言い、医療費控除によって税金が戻ってくる、つまり年間の所得税・住民税から医療費控除額に対する税金分が免除されることになります。

医療費控除の対象となる医療費の要件

・納税者が、自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費であること。
・その年の1月1日~12月31日の間に支払った医療費であること。

「自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族」とは

本人はもちろん、生計を共にしていた配偶者、子ども、孫、両親、祖父母、兄弟姉妹などです。扶養家族ではない共働きのの夫婦も医療費を合計して申告できます。学生である子どもや田舎の両親に仕送りしている場合も、生計を共にしているので医療費を合計できます。

医療費控除の対象となる金額

医療費控除の対象となる金額は、以下の計算式で導かれます。(最高200万円)

医療費控除金額=実際に支払った医療費の合計額-A-B
A:保険金などで補てんされる金額
(例)生命保険などで支給される入院費給付金や健康保険などで支給される高額療養費など
B:10万円
※その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%の金額

具体例

インプラントの歯科治療に50万円かかった場合は、医療費控除額は計算より50万円ー10万円=40万円となります。課税される所得金額が600万円だった場合、40万円×30%=12万円分の税金が免除されることになります。

医療費控除の対象となるもの

通常の医療費控除の対象となるものは以下になります。

・診療/治療/出産費用
・歯の治療
・健康診断、人間ドック(重大な異常が発見され、引き続き治療が必要な場合のみ)
・治療のための医薬品購入費
・保健士などによる療養上の世話代
・視力回復レーザー手術(レーシック手術)等
・通院のための公共交通機関の費用

歯の治療であれば、具体的には以下のようになります。

対象となるもの・インプラント費用
・自由診療による治療費(金歯、金冠、セラミックスクラウンなど)
・虫歯や歯周病(歯槽膿漏)の治療費
・親知らずの抜歯
・入れ歯の費用
・発育段階にある子どもの歯並びの矯正
・成人の噛み合わせ改善治療の矯正
・歯科ローンにより支払った治療費
・通院、入院のための電車、バス、タクシー代
・幼い子どものために親が付き添って通院した場合の交通費
・薬局で購入した歯痛止めなどの医薬品
対象とならないもの・歯を白くする目的のみのホワイトニング治療
・容貌を美化する目的のみの歯並びの矯正
・歯科ローンの金利、手数料など
・通院時に自家用車を使用した場合の駐車料金、ガソリン代

目の治療であれば、具体的には以下のようになります。

対象となるもの・視力回復レーザー手術(レーシック手術)の費用
・オルソケラトロジー治療(角膜矯正療法)の費用
対象とならないもの・眼鏡の購入費用

セルフメディケーション税制

似た制度として、セルフメディケーション税制があります。

健康の保持増進等のために取り組みを行なっている人が年間(1/1〜12/31)12,000円以上の対象医薬品を購入した場合、購入費用について所得控除を受けることができます。通常の医療費控除との選択適用(=どちらかしか使えない)ですので、ご注意ください。

通常の医療費控除セルフメディケーション税制
控除の対象医療費(医薬品や通院費等を含む)特定一般用医薬品等(スイッチOTC医薬品)購入費
最低自己負担10万円または総所得金額等の5%の小さい金額12,000円
控除限度額200万円88,000円
期限期限なし2026年12月31日まで

控除を受けるための手続

医療費控除もしくはセルフメディケーション税制に関する事項を記載した確定申告書を所轄税務署長に提出する必要があります。医療費の領収書などについては、確定申告書に添付するか、確定申告書を提出する際に提示してください。

確定申告は5年前までにさかのぼって還付を受けることが可能です。申告を忘れていた方や医療費が控除対象になることを知らなかった方は、改めて申告をされることをお勧めします。

タイトルとURLをコピーしました