アンビエント広告とは
アンビエント広告って聞いたことありますか?
言葉は知らなくてもこのような広告のことです、と言えば「あ〜!」という方も多いのでは?
↓アンビエント広告の例「新宿東口の猫」↓
アンビエント(ambient)は、英語で「周囲の」「環境の」という意味。
アンビエント広告とは、生活環境に溶け込みつつ、違和感や驚きをもたらすような斬新なアイデアで惹きつける新しいタイプの広告です。日常に溶け込みながらも、その意外性が広告効果を高めるような工夫がされています。具体的に言うと、上の新宿東口の猫のような街頭ビジョン、公園のベンチや遊具、エスカレーター、駅のホーム、横断歩道などといったもともと街の中にあるものや場所をその機能はそのまま活かしながらメディアとして活用した広告が、アンビエント広告です。面白い広告はYouTube、ツイッター、Instagramなどのソーシャルメディアで拡散されやすく、低コストで非常に高い宣伝効果を上げることが可能です。また通常の広告よりも印象に残りやすく、ブランディングとしても非常に有効な手法です。
アンビエント広告事例 10選
ではここから、ちょっとした工夫で大きな効果を生み出すアンビエント広告の事例をご紹介したいと思います。
NIKE
ベンチなのに座席の板が無い!座れないじゃん!ということで、あえて座れないようにしてあるデザインです。ナイキのロゴの横に小さく書かれているように「RUN(走ろう)」というのがメッセージです。ベンチに座ってないで走れ!というなかなか厳しいメッセージですが、NIKEらしさが伝わる広告ですね。
キットカット
ベンチシリーズ第2弾。見たまんまですが、美味しそうなベンチです(笑)座っていると溶けてきてしまいそう・・・「Have a break Have a KitKat」というコピーを体現する広告です。ここに座ればキットカットを食べたくなること間違いなし!?
Superette(ニュージーランドのファッションブランド)
ベンチシリーズ第3弾。ベンチは街中のどこにでもあるからアンビエント広告として使いやすいんでしょうね。
こちらはショートパンツの人が座ると、太ももの位置にデコボコがあり、立った時に『Short shorts on sale Superette』(Superetteにてショートパンツがセール!)という広告が足に浮かび上がるというもの。歩く広告塔を生み出す仕掛けです。
IWC
私のお気に入りの1つですが、ラグジュアリーウォッチブランドIWCのアンビエント広告です。
つり革に腕を通すとあら不思議。時計をはめているような気になります。いろんな種類の時計があると面白そうですね。
Indus Pride(インドのノンアルコールビールブランド)
つり革もベンチと並んで使いやすい広告媒体と言えそうです。
バスのつり革がビールジョッキを模した形になっており、ビールが注がれた画像になっています。つり革を持って傾けるとあら不思議。ちょっといっぱいひっかけているような写真が撮れてしまいます。完全に写真を撮ってもらってSNSで拡散してもらうことを狙っている広告です。
レゴブロック
オーストラリア ブリスベンで展開されたレゴブロックの広告です。点字ブロックの一部がレゴを模したものになっています。確かに点字ブロックってレゴっぽい。
コペンハーゲン動物園
バスに巻きついた巨大なヘビ。これは見に行きたくなりますね。ヘビ嫌いな人には見たくもないバスでしょうけど・・・
ポートアベンチュラ・パーク(スペインのアミューズメントパーク)
バス繋がりでこちらはバス停の活用です。
バス停の座席とバス停の背景をアミューズメントパークのライドを模したものにすることでライドに乗った気分に!?
LG
続いて動画のご紹介。
こちらはエレベーターを活用し、モニターの解像度の高さ/リアリティを伝える広告となっています。実際乗っていたらびっくりしそう・・・
フォルクスワーゲン
こちらも同じく動画です。
運転中の「ながらスマホ」を警鐘するための広告です。香港の映画館で広告展開が行われました。
映画館という画面を座って見るという環境と運転席で前を見ている環境というものをシンクロさせ、実際に運転時にメールが来る状況を想起させるような作りになっています。このあとどうなるかは動画を見てのお楽しみ。「ながらスマホ」はしてはいけない!と強く意識させるうまい広告です。
おまけ:新宿東口の猫と同じシリーズ
新宿東口の猫と同じような街頭のビジョンを活用した動画をいくつかご紹介します。
アンビエント広告の注意点
アンビエント広告はアイデアが命です。
そのため、通常の広告販促とは異なり、以下のような注意が必要です。
逆効果になる可能性も
面白いアイデアやユニークなストーリーが求められるため、行き過ぎたり、ピントがずれてしまうと、アンビエント広告が黙殺されてしまったり、炎上してしまうリスクがあります。
WEB広告などと異なり、費用対効果などの予測がしにくいのも難点です。
目的を明確に設定できていないと失敗のリスク大
広告は認知拡大を含めたブランディング目的なのか、集客・購入などの実需目的なのか、目的をどちらかに定めておかないと中途半端なものになってしまいがちです。
このような点も踏まえてうまく活用したいところです。
テレビ広告などとは違い、1点突破が可能な広告媒体ですので、中小企業でもアイデア次第でチャレンジできる広告です。ぜひ何ができるか、考えてみませんか?