躍進的設備投資助成金(東京都)令和8年度第3回の要件・助成額・申請方法

Yakushin2026 補助金・助成金
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東京都中小企業振興公社の「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」(通称、躍進的設備投資助成金)は、都内の中小企業が機械装置・器具備品・ソフトウェアを導入するときの費用を助成する制度です。助成額は最大2億円、助成率は最大5分の4です。この記事は、令和8年度第3回(第14回)の募集要項(2026年10月7日に確認)にもとづいています。

先に大事な点を書きます。第14回の申請受付は、令和8年10月23日(金)9時から11月24日(火)13時までです。申請にはGビズIDプライムのアカウントが必要です。公社は、余裕を持った事前の取得を求めています。これから準備する方は、先にGビズIDの手続きを始めてください。細かな条件には例外が多いため、この記事では要点だけを整理し、詳細は第14回募集要項(公社)へのリンクで示します。

躍進的設備投資助成金の概要

項目内容
実施公益財団法人東京都中小企業振興公社
対象都内に本店または支店があり、都内で2年以上事業を続けている中小企業者等
助成対象経費機械装置、器具備品、ソフトウェアの新たな導入と、搬入・据付などにかかる経費
助成額100万円から1億円(アップグレード促進区分は1億円から2億円)
助成率2分の1から5分の4以内(区分とコースで異なります)
助成対象期間令和9年4月1日から最長令和10年9月30日
申請方法電子申請(Jグランツ)のみ

試作や開発ではなく、量産の段階にある設備投資が対象です。助成金は設備代金を支払った後に交付される後払いで、一時的に全額を自社で用意する必要があります。公式ページは躍進的な事業推進のための設備投資支援事業(公社)と第14回の募集ページです。

令和8年度第3回(第14回)のスケジュール

項目時期
申請書類の提出(Jグランツ)令和8年10月23日(金)9時から11月24日(火)13時まで
一次審査(資格審査、経理審査、事業計画審査)12月中旬から1月中旬
一次審査の結果通知1月下旬
二次審査(面接審査、価格審査)2月中旬から2月下旬
助成対象事業者の決定3月中旬
助成対象期間の開始令和9年4月1日

日程は申請状況によって変わることがあります。最新の日程は公社のページで確認してください。令和8年度は募集が3回あり、第12回(4月21日から4月30日)と第13回(7月14日から7月23日)はすでに受付を終えています。

公社は、第14回の個別相談会を令和8年10月9日(金、国分寺)と10月26日(月、秋葉原)に開きます。事前登録制で先着順です。申込みは第14回の募集ページから行います。

申請できる人

主な条件は次のとおりです。基準日は令和8年10月1日です。個人事業者は、税務署に提出済みの開業・廃業等届出書の写しなどで、納税地や主たる事業所の都内所在が確認されます。

  • 基準日現在で、東京都内に登記簿上の本店または支店があり、都内の事業所で継続して2年以上事業を行っていること
  • 東京都に納税し、税金などの滞納がないこと
  • 同じ回の申請は一企業一申請であること
  • 過去に本助成事業の採択を受けた場合は、基準日現在でその助成金額が確定していること

機械設備を都外に設置する場合は、都内に本店があり、設置場所が神奈川県、埼玉県、千葉県、群馬県、栃木県、茨城県、山梨県の工場等であることが条件です。機械設備の設置場所は、自社所有の物件か賃貸借契約を結んだ物件に限られ、使用貸借の物件には設置できません。

医療法人、社会福祉法人、NPO法人、学校法人、一般社団・財団法人などは、中小企業基本法上の中小企業に当たらないため申請できません。個人開業医は申請できます。そのほかの条件は募集要項の「3 申請資格の要件」で確認してください。

事業区分と助成率・助成額

助成対象になる事業は、次の3区分のどれかに当てはまる必要があります。いずれも、設備投資後に従業員一人当たりの付加価値額(労働生産性)を年率3%以上向上させる計画が求められます。

  • Ⅰ 競争力強化(中小企業者はA、小規模企業者はB):量産体制の構築、生産工程の改善、品質の向上、コストダウンなど
  • Ⅱ 後継者チャレンジ(C):事業承継を契機に、後継者が行う事業多角化や新たな経営課題への取り組み
  • Ⅲ アップグレード促進(D):競争力強化と生産性向上で成長し、取引先の価格転嫁や賃上げを後押しする事業
事業区分通常コースゼロエミコース賃上げコース助成額
Ⅰ 競争力強化(中小企業者)1/2以内3/4以内3/4以内100万円から1億円
Ⅰ 競争力強化(小規模企業者)2/3以内3/4以内4/5以内100万円から1億円
Ⅱ 後継者チャレンジ2/3以内3/4以内3/4以内100万円から1億円

Ⅲ アップグレード促進(D)は、ゼロエミコースと賃上げコースの両方の要件を満たす必要があります。助成率は3/4以内、助成額は1億円から2億円です。

小規模企業者は、基準日現在の常用従業員数が、製造業・その他で20人以下、卸売業・小売業・サービス業で5人以下の事業者です。助成率は、審査の結果で申請時と変わることがあります。ⅠとⅡでは、ゼロエミコースと賃上げコースは併用できません。

ゼロエミコースは、省エネ効果が高い設備投資や再生可能エネルギーを使う取り組みについて、ゼロエミッション概要書を出して審査を受けます。賃上げコースは、賃金引上げ計画を立てて実行するコースです。計画では、助成事業の完了月の翌月から12か月間の給与支給総額を、基準にした12か月分の1.02倍以上にします。あわせて、設置場所の事業場内最低賃金を地域別最低賃金に30円を加えた水準以上にします。基準にする12か月は、基準日が属する月の前月から遡った12か月間で、第14回は令和7年10月から令和8年9月です。給与支給総額は賃金台帳の差引支給額で、役員を除き、非常勤を含む全従業員が対象です(個人事業主は代表者を除きます)。賃上げコースは、基準日時点で従業員がいる事業所や工場等への設置が対象で、新設の事業所や無人の資材置き場は対象外です。賃上げコースでは助成金が2回に分けて交付され、受け取り終えるまでの期間が長くなります。

アップグレード促進区分は、ゼロエミコースと賃上げコースの両方の要件を満たす必要があります。あわせて、受注企業が書く「生産(増産)要請に関する証明書」とパートナーシップ構築宣言の写しが必要です。この区分はアップグレード促進区分の解説記事で別に整理しています。

助成対象になる経費、ならない経費

助成対象になるのは、生産や役務の提供のために直接使う機械装置、器具備品、ソフトウェアです。機械装置と器具備品は1基50万円(税抜)以上が条件です。ソフトウェアは1基300万円(税抜)以上2,000万円以下で、複数あっても合計は2,000万円以下です。パッケージのように仕様が決まって販売されているものが対象で、大掛かりなスクラッチ開発は対象になりません。

主な対象外の経費は次のとおりです。

  • 中古品、建物・構築物、車両
  • サブスクリプションやクラウドサービスの利用料
  • 設置場所の整備工事、基礎工事、電気工事
  • 設置後に発生する年間保守費用やバージョンアップ費用
  • 汎用のパソコンやサーバー

契約、納品、支払いまでを助成対象期間内に終える必要があります。交付決定の前に契約や支払いをした経費は対象になりません。機械設備1機種につき、同一メーカー・同一型番で2社の見積書を取り、安いほうを採用します。2社の見積書が取れない場合は、見積限定理由書を出します。対象経費の一覧と例外は、募集要項の「6 助成対象経費」と「7 助成対象にならない経費」にあります。

申請の流れと面接審査

  1. GビズIDプライムのアカウントを取得する(公社は申請期日に余裕を持った事前登録を求めています。手順はGビズIDの取得方法で解説しています)
  2. 第14回の書式で申請書類を作り、見積書やカタログをそろえる
  3. 申請期間内にJグランツで提出する(持参、郵送、メールでは受け付けません)
  4. 一次審査(書類)を経て、通過した申請者が二次審査(面接審査、価格審査)を受ける
  5. 助成対象事業者が決まり、交付決定を受けて設備を導入する
  6. 完了報告と完了検査の後に助成金が交付される

審査の視点は、事業計画の目的との適合性、優秀性、実現性、成長・発展性、計画の妥当性です。二次審査では、機械設備の価格が市場価格に対して著しく高額でないかも見られます。

申請書類の提出、現地調査、二次審査は、会社概要と申請内容を説明できる申請企業の方が対応します。経営コンサルタントや社外顧問の同席と代行は認められません。後継者チャレンジ区分では、後継者本人の面接出席が必須で、他の役員や従業員による代理出席は認められません。面接の準備は社内で進める必要があります。ただし、Jグランツの代理申請機能を使えば、行政書士などが申請書を作成できます。申請内容の確認と提出は申請者自身が行います。

つまずきやすい点

  • 見積書の「一式」表記。 メーカー、型番、内訳の記載がない「一式」の見積書は、必要な経費かを判別できないため対象外になります
  • 交付決定前の発注や支払い。 交付決定の前に支払った経費は対象になりません。助成対象期間の開始を待ってから発注します
  • 資金繰り。 助成金は後払いです。つなぎ資金の考え方は補助金のつなぎ資金の解説にまとめています
  • 前回の申請が審査中。 既存の申請の結果が出るまでは、今回の募集に申請できません
  • 事業化状況報告。 事業完了後、翌年度以降5年間は、事業化状況報告書の提出が求められます

これまでの変更

令和7年度第2回(第10回)の募集要項と、今回の第14回を比べると、次の点が変わっています。

項目第10回(令和7年度第2回)第14回(令和8年度第3回)
事業区分競争力強化、DX推進、イノベーション、後継者チャレンジ、アップグレード促進の5区分競争力強化、後継者チャレンジ、アップグレード促進の3区分
小規模企業者(優遇なし)の助成額の上限3,000万円1億円
ソフトウェア助成金の申請額が300万円以上1,000万円以下助成対象経費が1基300万円以上2,000万円以下
優遇の呼び方ゼロエミ要件、賃上げ要件ゼロエミコース、賃上げコース
申請予約申請書類の提出の前に必須第14回の日程表に記載なし

賃上げの優遇を受ける場合に助成金を2回に分けて交付する方式は、令和6年度から始まっています(公社のページに「R6年度からの主な変更点」と記載されています)。募集は令和8年度に第12回から第14回の3回行われています。

よくある質問

他の補助金と同じ設備で申請できますか?

公社の他の助成事業と同一の機械設備(同一型番)で併願することはできません。他機関の助成金(ものづくり補助金など)とは併願できます。ただし、同一の機械設備(同一型番)で二重に助成を受けることはできず、両方に採択された場合はどちらかを辞退します。

クラウドサービスの利用料は対象になりますか?

対象になりません。固定資産として計上できるソフトウェアの購入経費だけが対象です。

機械設備を都外の工場に設置できますか?

設置できます。ただし、都内に本店があり、設置場所が神奈川県、埼玉県、千葉県、群馬県、栃木県、茨城県、山梨県の工場等であることが条件です。

申請の相談

区分とコースの選び方、見積書の取り方、事業計画書の組み立てで迷う方が多い制度です。どの区分とコースで申請するか、いつから何を準備するかを整理したい場合は、補助金・助成金の相談ページからご連絡ください。補助金・助成金の情報は補助金データベースでも探せます。制度そのものの問い合わせ先は、公社の企画管理部 設備支援課(03-3251-7884)です。

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