海外展開を目指す事業者にオススメの「JAPANブランド育成支援等事業費補助金(JAPANブランド補助金)」を、ご存知でしょうか?
今年の「JAPANブランド補助金」は、ものづくり補助金へ統合され、様々な点が変更されました。
そこで今回は、変更となった点や採択のポイントをご紹介いたします。
ものづくり補助金とは
「ものづくり補助金」とは、中小企業等の新たな設備投資を支援する補助金で、平成25年から毎年公募されている人気の補助金です。
JAPANブランド補助金は、ものづくり補助金の数ある申請枠の中で、「グローバル市場開拓枠」の「海外市場開拓(JAPANブランド)類型」に統合されました。
ものづくり補助金におけるグローバル市場開拓枠の内訳は以下のとおりです。
- 海外市場開拓(JAPANブランド)類型(以降、海外市場開拓類型)
- 海外直接投資類型
- インバウンド市場開拓類型
- 海外事業者との共同事業類型
「JAPANブランド補助金」と「海外市場開拓類型」の比較
旧来の「JAPANブランド補助金」と、ものづくり補助金15次公募の「海外市場開拓類型」の違いは以下の通りとなります。
補助金名 | JAPANブランド補助金 | ものづくり補助金(海外市場開拓類型) |
公募回数 | 1回/年 | 複数回/年 |
補助金額 | 500万円以内 | 100万円~3,000万円 |
補助率 | 3分の2 | 2分の1(小規模事業者は3分の2) |
補助対象経費 | 機械装置等費、旅費、通訳・翻訳費、広報費、資料購入費、講座受講料、雑役務費 他 | 機械装置・システム構築費(※1)、広告宣伝・販売促進費、海外旅費、通訳・翻訳費 他(※2) |
※1 単価50万円(税抜)以上の設備投資が必須
※2 補助対象経費には以下のような制限がある
- 海外旅費:申請する経費総額の5分の1以内
- 通訳・翻訳費:申請する経費総額の5分の1以内
- 広告宣伝・販売促進費:申請する経費総額の2分の1以内
統合して良くなった点
- 採択のチャンスが増加(公募:1回/年→複数回/年)
- 補助上限額の増加(補助上限:500万円→3,000万円)
- 支援パートナー(中小企業庁が選定した事業者)との契約が不要
統合して悪くなった点
- 事業者によっては補助率が低下(補助率:3分の2→2分の1)
- 賃上げが必須(詳細は以下の基本要件を参照)
- 経費の一部が補助対象外(雑役務費、資料購入費、講座受講料)
- 設備投資が必須
ものづくり補助金に申請するための要件
ものづくり補助金の「海外市場開拓類型」に申請するためには、以下の基本要件と追加要件を満たしている必要があります。
基本要件
下記を満たす3~5年の事業計画を策定
- 給与支給総額を年率平均1.5%以上増加
- 自社の最低賃金を都道府県別の最低賃金より+30円以上
- 付加価値額を年率平均3%以上増加
追加要件(海外市場開拓類型)
下記を満たす3~5年の事業計画を策定
- 製品等の最終販売先の2分の1以上が海外顧客となり、計画期間中の補助事業の売上累計額が補助金額を上回る
- 補助事業実施場所を国内に有する
- 申請時に海外市場調査報告書を提出する
採択のポイント
独自の審査項目
申請する際は「グローバル市場開拓枠」や「海外市場開拓類型」独自の審査項目にご注意ください。
「ブランディング・プロモーションの具体的なマーケティング戦略」は特に重要なため、必ずご記載ください。
審査項目(グローバル市場開拓枠のみ)
- 海外展開等に必要な実施体制や計画が明記されている
- グローバル市場開拓に必要な専門性を有する申請者、または外部専門家等が関与する
- 事前の十分な市場調査分析を行った上で、国際競争力の高い製品・サービスを開発する
- 国内の地域経済に寄与する計画である
- 将来的に国内地域で新たな需要や雇用を創出する
審査項目(海外市場開拓類型のみ)
- ブランディング・プロモーションなど、具体的なマーケティング戦略が事業計画書に含まれている
お薦めの加点項目
「ものづくり補助金」には、審査で優遇される加点項目があります。加点項目の中でも、下記は「海外市場開拓類型」に申請する際にオススメです。
- 「パートナーシップ構築宣言」の登録と公表
- 有効な期間の「事業継続力強化計画」の認定を受ける
- 下記の賃上げを計画し、事務局へ宣誓書を提出
- 給与支給総額:年率平均2%以上増加あるいは年率平均3%以上増加
- 事業場内最低賃金:自社の最低賃金を都道府県別の最低賃金より+30円以上、あるいは+45円以上引上げる - 「新規輸出1万者支援プログラム(※3)」のIDを取得
※3 輸出の相談や、海外販路開拓の支援等のサービスを提供する日本貿易振興機構(ジェトロ)が運営するウェブサイト。

海外市場調査報告書について
「海外市場開拓類型」に申請する際は、通常の事業計画書に加え、「海外市場調査報告書」も提出する必要があります。
記載事項については、ものづくり補助金事務局の公式サイト内の「よくあるご質問」で紹介されていますので、ご確認ください。
【海外市場調査報告書の記載事項】
- 具体的な想定顧客
– 販売を想定している国における、製品等の市場・競争環境
– 販売を想定している国における、製品等の顧客ニーズ
– 販売戦略 等
まとめ
「JAPANブランド補助金」がものづくり補助金に統合されたことで、公募回数や補助上限額が増加し、申請のチャンスは増えました。
海外展開を検討中の事業者は、ぜひ「海外市場開拓類型」の申請をご検討ください。
ものづくり補助金の全体概要については以下のページを合わせてご参照ください。
ものづくり補助金ホームページ
以下のページがものづくり補助事業公式ホームページ「ものづくり補助金総合サイト」となります。
ものづくり補助金申請支援サービス

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