小規模事業者持続化補助金(以下、持続化補助金)は、従業員の少ない事業者が、チラシや看板、ホームページ、店舗の改装などで販路を広げるときに使える国の補助金です。
この記事では、2026年11月に申請受付が始まる一般型 通常枠の第20回公募について、補助額・対象経費・スケジュールと、第19回から変わった点をまとめます。
数字は第20回公募要領(第8版)から取っています。申請する前に、最新の公募要領を必ずご確認ください。
持続化補助金(一般型 通常枠)第20回の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助上限 | 50万円(特例の要件を満たすと上乗せあり) |
| 補助率 | 2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4) |
| 対象経費 | 機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費 |
| 申請受付 | 2026年11月5日から2026年12月15日 17:00まで |
| 事業支援計画書(様式4)の発行受付締切 | 2026年12月4日 |
| 採択発表 | 2027年3月頃の予定 |
| 補助事業の実施期限 | 2028年3月31日 |
| 申請方法 | 電子申請のみ(GビズIDプライムが必要) |
補助金は後払いです。いったん全額を自社で支払い、事業が終わってから実績報告をして、確定した額を受け取ります。
公式の案内は、事業所の所在地によって窓口が分かれます。
- 商工会議所地区:小規模事業者持続化補助金(商工会議所地区)事務局
- 商工会地区:小規模事業者持続化補助金(商工会地区)事務局
対象になる事業者
対象は、常時使用する従業員の数が次の人数以下の「小規模事業者」です。
| 業種 | 常時使用する従業員の数 |
|---|---|
| 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) | 5人以下 |
| サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
| 製造業その他 | 20人以下 |
会社役員や同居の親族従業員は、従業員の数に含めません。
会社(士業法人を含む)と、商工業を営む個人事業主は対象になります。一定の要件を満たすNPO法人も申請できます。
ほかに、次の要件もあります。
- 日本国内に所在していること(国内に居住する個人、または国内に本店がある法人)
- 資本金または出資金が5億円以上の法人に、直接または間接に100%の株式を保有されていないこと(法人のみ)
- 直近過去3年分の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと
一方で、医師・歯科医師、医療法人、社会福祉法人、一般社団法人などは対象外です。
申請の時点で開業していない創業予定者も対象外です。創業して間もない方向けには、別の公募として創業型があります。創業型と一般型は同時に申請できません。創業型の要件は「持続化補助金「創業型」の解説」でまとめています。
補助上限と補助率(インボイス特例・賃金引上げ特例)
補助上限は50万円です。次の特例の要件を満たすと、上限が上乗せされます。中小機構の補助金活用ナビでは「上限50万円(特定条件で上限250万円)」と案内されています。
| 適用する特例 | 補助上限 | 補助率 |
|---|---|---|
| 特例なし | 50万円 | 2/3 |
| インボイス特例 | 50万円+50万円 | 2/3 |
| 賃金引上げ特例 | 50万円+150万円 | 2/3(赤字事業者は3/4) |
| 両方の特例 | 50万円+200万円 | 2/3(赤字事業者は3/4) |
インボイス特例
補助事業が終わる時点で適格請求書発行事業者の登録を受けていて、次のどちらかに当てはまる事業者が対象です。
- 2021年9月30日から2023年9月30日の属する課税期間で、一度でも免税事業者であった
- 2023年10月1日以降に創業した
過去にインボイス特例やインボイス枠で補助事業を実施した事業者は使えません。
賃金引上げ特例
第20回では、2027年4月1日から2028年3月31日までの12か月と、その前年同月の12か月を比べて、従業員1人あたりの給与支給総額を年平均3.0%以上増やすことが要件です。この特例を選ぶ場合、補助事業の終了予定日は2028年3月31日に設定します。
具体的には、3.0%以上の引上げとなる「1人あたり給与支給総額目標値」を自分で設定し、採択後、交付決定までに従業員などへ表明します。実績報告の時点で、その目標値を達成する必要があります。目標を3.0%より高く設定した場合は、3.0%の増加では足りません。
計算の決まりも押さえておいてください。
- ここでの「従業員」は非常勤を含み、代表者・役員・専従者を含みません
- 比較する2つの12か月は、それぞれの期間ごとに、その期間の全月分の給与を受けた従業員を計算の対象にします。途中入社や退職で全月分を受けていない従業員は、その期間の計算から外します
- どちらかの期間で計算の対象になる従業員がいない場合は、1人あたり給与支給総額を出せないので特例の対象外です。実績報告までに退職などで計算できなくなった場合も、補助金は交付されません
- 比較する両方の12か月で、事業場内最低賃金が地域別最低賃金以上である必要があります
- パートタイム従業員は、正社員の就業時間に換算した人数で数えます
賃金引上げ特例を選ぶ事業者のうち、直近1期(個人事業主は直近1年間)の課税所得金額がゼロ以下の赤字事業者は、補助率が3/4に上がります。
特例を選んで要件を1つでも満たせなかった場合、上乗せ分だけでなく補助金の全体が交付されません。賃上げの見通しが立つかを確かめてから選んでください。
補助対象経費と使い方の例
対象になるのは次の8つの経費です。公募要領に載っている例を一部挙げます。
| 経費 | 対象になる例 |
|---|---|
| 機械装置等費 | ショーケース、鍋・オーブン・冷凍冷蔵庫、3Dプリンター |
| 広報費 | チラシ・カタログ、看板、新聞・雑誌広告、インターネット広告 |
| ウェブサイト関連費 | 商品販売のためのウェブサイトの作成や更新、システム開発 |
| 展示会等出展費 | 展示会・商談会への出展料(オンラインを含む) |
| 旅費 | 展示会等への出展に伴う宿泊代、電車賃・航空券代 |
| 新商品開発費 | 新商品の試作品や包装パッケージの試作開発(テストマーケティングや市場調査の内容と結果を、申請時か実績報告時に記載することが条件) |
| 借料 | 補助事業に直接必要な機器・設備等のリース料・レンタル料 |
| 委託・外注費 | 店舗改装など、自ら実行することが困難な業務の外注 |
使うときは、次の決まりに気をつけてください。
- 広報費とウェブサイト関連費は、それぞれ補助金交付申請額の上限が30万円(税込)です。どちらも、その経費だけでは申請できません
- パソコン、タブレット端末、事務用プリンターなど汎用性の高い機器は対象外です
- 1件あたりの発注総額が50万円(税込)を超えるものは、2者以上から見積を取り、より安価な発注先を選びます。事業内容の性質上、見積を取ることが難しい場合は、随意契約の理由書を採択発表後、交付決定までに出します。中古品は金額にかかわらず2者以上の見積が必要で、理由書による随意契約は認められません
- 交付決定日より前に発注・契約・支払いをした経費は対象外です。展示会への出展申込みだけは交付決定前でもかまいませんが、請求書の発行日が交付決定日以後である必要があります
- 支払いは銀行振込が原則です。旅費や現金決済のみの取引を除き、1取引10万円(税抜き)を超える支払いを現金ですることは認められません
申請の流れとスケジュール
- GビズIDプライムのアカウントを取る(取得に数週間程度かかります)
- 電子申請システムに経営計画と補助事業計画を入力する
- 地域の商工会・商工会議所に事業支援計画書(様式4)の発行を依頼する(受付締切は2026年12月4日)
- 電子申請で申請する(締切は2026年12月15日 17:00)
- 採択後、見積書等を出して交付決定を受ける(採択発表から1〜2か月ほどかかる場合があります。見積書等の提出期限は2028年2月29日で、期限までに出さないと採択取消しになります)
- 交付決定日から2028年3月31日までに事業を行い、支払いまで終える
- 実績報告書を出し、補助金額が確定してから請求する(実績報告書は、事業が終わった日から30日を経過した日か2028年4月10日の、いずれか早い日までに出します)
- 事業が終わってから1年後の状況を事業効果報告書で報告する
様式4の発行を受けるとき、商工会・商工会議所の担当者が事業計画の中身や書類の過不足を確認します。公募要領は、社外の代理人のみで商工会・商工会議所へ相談や発行依頼をすることを認めていません。コンサルタントなどに頼む場合も、事業者自身が窓口とやり取りする前提で日程を組んでください。
つまずきやすい点
様式4の締切は申請締切より早い
事業支援計画書(様式4)の発行受付は2026年12月4日で締め切られ、締切後の依頼はどんな理由でも受け付けられません。申請締切の12月15日を目安にしていると間に合わなくなります。
第三者の支援を受けたら申請書に書く
コンサルタントなどの支援を受けた場合は、確認事項入力(様式2)の「商工会・商工会議所を除く第三者からのアドバイスの有無」に、相手方と支援の金額を書きます。書かずに申請すると、虚偽の報告として不採択や交付決定取消になります。
過去に採択された事業者
以前に持続化補助金で補助事業を実施した事業者は、事業実施期間が終わった月の翌月から1年間が経過し、事業効果および賃金引上げ等状況報告書(様式第14)を出し終えている場合に申請できます。
ただし、一般型の「卒業枠」や、通常枠の「小規模事業者卒業加点」で採択を受けて補助事業を実施した事業者は対象外です。また、第20回で採択されて補助事業を実施した事業者が次に申請できるのは、様式第14の提出を終えてからさらに1年が経過した後です。
第19回からの主な変更点
第19回公募要領(第6版)と比べると、第20回では次の点が変わりました。
- 賃金引上げ特例の要件が「事業場内最低賃金を+50円以上」から「従業員1人あたり給与支給総額を年平均3.0%以上増加」に変わりました
- ウェブサイト関連費の補助金交付申請額の上限が「補助金交付申請額の1/4(最大50万円)」から「30万円(税込)」に変わりました
- 広報費にも補助金交付申請額の上限30万円(税込)が付き、広報費だけでは申請できなくなりました
- インターネット広告やSNS広告は、広報費で計上する形になりました
- 相見積が必要になる発注総額の基準が、税込100万円超から税込50万円超に下がりました
前回の申請書や見積をそのまま使い回すと、上限を超えた計画になっていることがあります。経費の配分は第20回の公募要領で組み直してください。
よくある質問
パソコンやタブレットを買う費用は対象になりますか?
対象外です。公募要領では、パソコン、タブレット端末、事務用プリンター、複合機など汎用性が高く目的外に使えるものを、機械装置等費の対象外としています。
創業型と一般型の両方に申請できますか?
できません。一般型の公募要領には「小規模事業者持続化補助金<創業型>との重複申請はできません」と書かれています。創業型に申請中または採択を受けている事業者も、一般型の対象外です。
補助金はいつ受け取れますか?
補助事業が終わって実績報告書を出し、補助金額が確定してから請求します。第20回の補助事業の実施期限は2028年3月31日なので、支払いを先に済ませる資金を用意しておく必要があります。立て替えの資金繰りは「補助金のつなぎ資金」の記事も参考にしてください。
申請の相談
松嶋は、持続化補助金の経営計画づくりや、対象経費の切り分けを一緒に整理しています。補助金交付申請額の上限がそれぞれ30万円(税込)になった広報費・ウェブサイト関連費の配分や、賃金引上げ特例を選ぶかどうかの判断もご相談ください。
当方の支援を受けて申請する場合は、様式2に支援者である当方の名称と、支援に係る金額(着手金や成功報酬を含む)を記載していただきます。
ご相談は補助金申請の相談ページから受け付けています。ほかの補助金は補助金データベースで探せます。
小規模事業者持続化補助金申請支援サービス

採択率を高めるため、チームを組んでサポートします。以下のフォームから是非ご相談ください!
ご相談の前に、支援の内容と進め方と、担当する中小企業診断士のプロフィールをご覧いただけます。


