もらった補助金を返還する!?収益納付のしくみと対策

shueki nofu 補助金・助成金
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「儲かったら補助金を返さないといけない!?」

こんな話を聞いたことはありませんか?

多くの補助金には「収益納付」という制度があり、要件に該当すると、交付された補助金を返還する必要が生じてしまいます。

今回は「収益納付」のしくみや対策について解説しますので、補助金を受給または申請する際にお役立てください。

収益納付とは

補助金を活用した設備投資等の事業(補助事業)から得られる収益が一定額を超えた場合に、補助金の一部または全額を、国や自治体に返還する制度です。

収益納付は、交付された補助金額が上限となります。

収益納付の要否判定と計算方法

収益納付の要否判定

補助金が交付された事業者は、補助事業の実施状況を報告する「事業化状況報告」の実施義務があります。

事業化状況報告の際にWeb上で入力する数値により、収益納付の要否が判別できます。

せっかく受け取った補助金の一部または全額を返還するリスクがあるか否かを把握することで、対策を立てられます。

例えば、事業再構築補助金で収益納付の対象となった場合、事業化状況報告の画面にメッセージが表示されます(下図)。

収益納付の計算方法

収益納付額は、基本的に以下の計算式で算出されます。

【計算式】

収益納付額(基準納付額)=(補助事業の事業化に係る本年度収益額-控除額)× 補助金確定額 ÷ 本年度までの補助事業の事業化に係る累計支出額

事業者が自ら計算する必要はなく、事業化状況報告の際に補助事業から生じる売上や経費をWeb上で入力すると、自動計算されます。

収益納付への対策

計上する売上や経費を精査

収益納付に関わる売上や経費は会社全体ではなく、補助事業から生じたものに限定されます。

もし、事業化状況報告の際に収益納付の発生が見込まれる場合は、補助金と関係のない売上を含めてないか、経費の計上漏れがないか精査することをおすすめします。

補助事業期間の短縮

多くの補助金では、事業計画を3年から5年の間で作成します。

ものづくり補助金の場合、事業計画期間を3年とした場合には、収益納付の算定期間も3年に短縮できます。

但し、そもそも申請した事業計画が3年で十分な収益が見込めないと判断されると、補助金申請そのものが不採択となる場合があります。

収益納付対策のために不自然な計画とならないようご注意ください。

専門家に相談

事業化状況報告を進める中で収益納付の発生が見込まれる場合は、専門家に相談することが有効です。

算定に含める必要のない売上や、算定に含めることができる経費がないか見直すことで、本来不要な収益納付を避けることもできます。

主な補助金における収益納付のポイント

多くの補助金は、交付後5年間の事業化状況報告期間に発生した収益が収益納付の対象になり、事後に納付することになります。

以下、主な補助金について説明いたします。

ものづくり補助金

・令和元年度補正予算以降の「ものづくり補助金」が交付された事業者が、収益納付を怠っていた場合は、新たに同補助金を申請する際に減点される規定があります。

・事業化状況報告期間中の事業年度の決算が赤字の場合や、十分な賃上げをした場合、収益納付が免除されることがあります。

事業再構築補助金

・事業化状況等報告期間中の事業年度の決算で、会社全体の経常利益が赤字の場合、収益納付が免除されます。

小規模事業者持続化補助金

・小規模事業者持続化補助金の場合は、補助事業の実績報告までに発生した収益のみが対象となり、補助金確定額から収益納付額を減額して交付されます。

あえて収益納付するメリット

ものづくり補助金など一部の補助金では、収益納付の義務を怠っていた場合、同じ補助金を新たに申請する際に減点されることがあります。

そこで、あえて収益納付をすることで次回申請時の減点を避け、採択率を高めることもできます。

もちろん、むやみに収益納付をする必要はありませんので、納付額を抑えるために前述の対策とセットでご検討ください。

まとめ

補助金を受給または申請する際には、収益納付の有無や条件を確認しておくことをおすすめします。

ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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