税制優遇制度ご活用のススメ

経営支援
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ものづくり補助金などの補助金を活用して、設備投資に取り組む事業者様がいらっしゃいます。

今回は、補助金・助成金と組み合わせて検討でき、「固定資産税の軽減」「即時償却・税額控除」などのメリットが得られる税制優遇の制度2つをご紹介します。

国等の設備投資支援

ものづくり補助金などは、採択後に交付決定を受けて事業を実施し、補助金額が確定すると、新たな設備などの購入費に補助金を受け取れます。

しかし、設備投資に関する支援策は補助金だけではありません。

設備投資によって生産性向上を目指す中小企業等に対し、事業計画を認定したうえで税制優遇の措置を行う「先端設備等導入計画」「経営力向上計画」があります。

補助金で購入した設備等には、機械装置など償却資産として固定資産税が課される場合があるとともに、補助金の受給額が収入として計上されることにより法人税額が増える懸念も生じます。

税制優遇の制度を併用し、より効果的に設備投資を行いましょう。

項目先端設備等導入計画経営力向上計画
メリット固定資産税の軽減即時償却または税額控除(法人税など)
提出先各市区町村 (※1)事業分野の主務大臣(経済産業局など) (※2)
対象者中小企業・小規模事業者等中小企業・小規模事業者等
主な添付書類認定経営革新等支援機関の事前確認書と投資計画の確認書、賃上げ方針を表明したことを証する書面「経済産業局による確認書」「工業会の証明書」など(類型により異なる)
対象設備(中古資産不可)機械装置・測定工具および検査工具・器具備品・建物附属設備機械装置・工具・器具備品・建物附属設備・ソフトウェア(E類型は建物も対象)
注意点設備取得前に必ず認定を受ける (※3)原則として確認書、認定、設備取得の順に進める (※4)

※1 本社等の所在地ではなく、設備などを設置する場所の市区町村です

※2 事業分野により提出先の役所が異なります

※3 提出から認定までの期間は、市区町村や確認書の発行状況により異なります

※4 類型によって確認書を出す時期が決まっています。詳しくは下の経営力向上計画の記事をご覧ください

先端設備等導入計画

「先端設備等導入計画」は、中小企業・小規模事業者等が、設備投資を通じて労働生産性の向上を図る事業計画を作成・提出し市区町村から認定を受けることで、税制面や金融面のメリットを受けられる制度です。計画では、労働生産性が年平均3%以上向上する見込みが要件になります。詳しい手順は先端設備等導入計画の解説記事にまとめています。

対象者

中小企業・小規模事業者等が対象で、業種ごとに中小企業の範囲(資本金と従業員数)が定められています。固定資産税の特例を受けるには、資本金1億円以下の法人、従業員数1,000人以下の個人事業主等であることが必要です(大企業の子会社等を除く)。

設備等を設置する場所の市区町村が「導入促進基本計画」を策定している必要があります。市区町村によって対象にしている業種・地域・設備が違うことがあるため、事前に確認しましょう。

適用期間

令和7年4月1日から令和9年3月31日までに取得した設備が対象です(中小企業庁の資料)。

対象設備

対象となる「先端設備」とは、労働生産性の向上に必要な生産・販売活動に使用される設備を指します。計画の対象となる設備は、機械装置、測定工具および検査工具、器具備品、建物附属設備、ソフトウエアです。固定資産税の特例の対象は、このうちソフトウエアを除く4種類(建物附属設備は、家屋と一体となって効用を果たすものを除きます)で、生産、販売活動等の用に直接使うもの(中古資産は対象外)に限られます。

優遇措置について

税制面のメリット

雇用者給与等支給額を1.5%以上増やす賃上げ方針を従業員に表明して計画に位置づけ、認定経営革新等支援機関の確認を受けた、投資利益率5%以上の投資計画に記載された設備を取得すると、その設備の固定資産税の課税標準が、3年間 2分の1になります。

機械装置は160万円以上など、設備の種類ごとに最低取得価額があります。高額な設備を購入する場合に、大きなメリットを受けられます。

金融面のメリット

民間の金融機関(銀行・信用金庫等)から借入をする際に、信用保証協会の保証枠に、通常とは別枠が設定され、借入できる金額が増える可能性があります。

賃上げ幅に応じた税制面の優遇拡大

雇用者給与等支給額を3%以上増やす賃上げ方針を表明した場合は、課税標準が「5年間 4分の1」に軽減されます。1.5%以上の表明なら「3年間 2分の1」です。

賃上げ方針は、計画の申請時に計画へ位置づけます。増加率は、申請日の属する事業年度の直前の事業年度と、申請日の属する事業年度(令和7年4月1日以後に開始する事業年度に限ります)またはその翌事業年度を比べて計算します。表明した内容は、従業員への表明を証する書面にして、市区町村への申請書に添付します。

※賃上げ方針の表明証を提出した上で、やむ無く達成できない場合でも、税の追納等は発生しません。

詳細は別途記事を用意しておりますので合わせてご確認ください。

経営力向上計画

「経営力向上計画」は、中小企業・小規模事業者等が生産性向上を目指す事業計画を作成・提出し、国の役所から認定を受けることで、税制面・金融面のメリットなどを受けられる制度です。設備投資の税制は「中小企業経営強化税制」と呼ばれます。B類型を中心に、経営力向上計画の解説記事で詳しく説明しています。

対象者

税制の対象は、青色申告書を提出する中小企業者等で、指定事業を営む場合です。大規模法人から出資を受けている法人などは対象外になることがあるため、国税庁No.5434で確認してください。

規模は、以下①~④のいずれかを満たす必要があります。

 ①資本金もしくは出資金の額が1億円以下の法人

 ②資本金もしくは出資金がない法人のうち、常時使用する従業員数が1,000人以下の法人

 ③常時使用する従業員数が1,000人以下の個人

 ④協同組合等

適用期間

令和9年3月31日までに取得し、事業の用に供した設備が対象です(国税庁タックスアンサーNo.5434)。

対象設備

機械装置・工具・器具備品・建物附属設備・ソフトウェアなどが対象です。種類ごとに最低取得価額があり、類型によって性能や投資収益率の要件も異なります。新品であることが必要で、貸付けの用に供する資産は原則として対象外です。

類型により、工業会等の証明書または経済産業局の確認書を取得する必要があります。

優遇措置

税制面のメリット

設備等を購入する場合に、以下①②のいずれかの税制優遇措置を選んで利用できます。E類型で建物やその附属設備を対象にする場合は、償却額や控除率が別に定められています。また、E類型で一つの生産等設備を構成する設備の取得価額の合計が60億円を超える場合は、60億円を基準に計算します。所有権移転外リースで取得した設備は、特別償却は使えず、税額控除だけ使えます。

①即時償却:取得価額から普通償却限度額を引いた金額を特別償却できる(取得価額の全額を償却する形になります)

②税額控除 (※1)(※2):設備等の取得価額の10% (※3)

※1 その事業年度の調整前法人税額または所得税額の20%を上限とする(中小企業投資促進税制の控除額との合計)
※2 上限を超える金額については、翌年度に限り繰り越し可能
※3 資本金3,000万円超1億円以下の法人は7%

金融面のメリット

取組の内容によっては、民間の金融機関から借入をする際、信用保証協会の保証枠に通常とは別枠が設定され、借入できる額が増える可能性があります。詳しくは中小企業庁の手引きでご確認ください。

税制の詳細は経営力向上計画の記事をあわせてご確認ください。

2つの制度を有効活用するために

「先端設備等導入計画」と「経営力向上計画」は併用できます(同じ設備で、固定資産税の特例を2つ以上受けることはできません)。

補助金のような採択ではなく、要件を満たしているかを確認して認定される制度です。

補助金のルールで併用が禁止されていなければ、補助金を受け取った上で、先端設備等導入計画で固定資産税の負担を軽減し、経営力向上計画で即時償却または税額控除を受けることで、より効果的に設備投資できます。ただし、経営力向上計画の税制は、同じ資産について、租税特別措置法上の圧縮記帳や、他の特別償却・税額控除との重複適用ができません。補助金で取得した設備の扱いは、顧問の税理士にご確認ください。

補助金と税制のどちらを使うか、設備を買う順番をどうするかは、ご相談の内容に合わせて整理します。経営支援サービスのページから、お問い合わせください。なお、認定経営革新等支援機関の確認書が必要な場合は、所属するコンサルティング・ビジネス研究会経由で対応します。

税制優遇サポートサービス

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