中東情勢による原材料高騰の緊急対策助成金とは?東京都【2026年】

補助金・助成金
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中東情勢を受けて原材料や燃料の価格が上がり、価格転嫁も進まず、利益率が下がっている。そんな都内の中小企業に向けて、東京都中小企業振興公社が実施しているのが「中東情勢による原材料価格高騰に伴う経営基盤安定化緊急対策事業」です。原材料費を減らすための設備やシステムの導入費用に、最大2,000万円、経費の5分の4までを助成します。

第3回の申請受付は、2026年11月2日(月)9時から11月30日(月)16時までで、いま受付中です。この記事では、2026年11月3日時点の公社の公式ページと、第3回の助成金募集要項をもとに、対象者、対象になる取組と経費、申請の流れ、つまずきやすい点を整理します。

制度の概要

項目内容
実施主体公益財団法人 東京都中小企業振興公社
対象者東京都内で事業を行う中小企業者(個人事業主を含む)。直近の決算で営業利益率が下がっている、またはこれから下がる見込みなど、利益率の要件がある
助成限度額2,000万円(千円未満切捨て)
助成率助成対象経費の4/5以内
助成対象期間交付決定日から最大1年間
第3回の申請期間2026年11月2日(月)9時から11月30日(月)16時
交付決定2027年2月26日(金)予定(助成金の申請額が100万円以下なら2027年1月29日(金)予定)
申請方法Jグランツによる電子申請(GビズIDプライムが必要)

助成金は、実績に基づく精算払い(後払い)です。事業を実施する間の資金は、自社で用意します。実施の状況や完了検査の結果によっては、交付額が交付決定額より減ることがあります。

どんな取組が対象になるか

対象は、原材料費の縮減や価格転嫁などに向けた取組です。公式ページと募集要項に、次のような例が挙がっています。

  • 建設現場での塗料の使用量を減らす機器の導入
  • 不良品を早期に発見し、原材料の歩留まりを向上させる検査装置の導入
  • 代替素材を活用した新商品をPRするための展示会出展
  • インクの在庫ロスを削減する発注管理システムの構築

次の取組は対象外です。

  • 申請者が営んできた事業内容との関連性が薄い、または全くない取組
  • 法令改正への対応など、義務的な取組
  • 単なる老朽設備の維持更新など、原材料費の縮減や価格転嫁などに寄与しない取組
  • 単なる原材料の代替のみの取組

対象となる取組でも、審査で不採択になることがあります。

申請できる事業者

募集要項の申請要件は、次の(1)から(7)をすべて満たすことです。主なものを挙げます。

  • 都内の中小企業者(会社または個人事業者)で、大企業が実質的に経営に参画していないこと。業種ごとに資本金と従業員数の基準があるので、募集要項で自社が当てはまるか確認してください
  • 申請受付開始日時点で、法人は本店(実施場所が都内なら支店でも可)の登記が都内にあること、個人事業者は納税地が都内にあること。都内の事業所で実質的に事業を行っている必要があります
  • 申請受付開始日時点で、次のいずれかに当てはまること:直近決算期の営業利益率が前期より減っている、次期決算期の営業利益率が直近決算期より減る見込み、直近決算期に営業損失を出している
  • 取組を行う実施場所が、東京都内、または神奈川県・埼玉県・千葉県・群馬県・栃木県・茨城県・山梨県のいずれかであること。都外が実施場所の場合は、都内に登記簿上の本店が必要です
  • 第1回の募集で交付決定を受けていないこと、第2回の募集で申請中でないこと
  • 同じテーマ・内容で、公社・国・都道府県・区市町村などから助成を受けていないこと
  • 事業税などを滞納していないこと

なお、交付決定を受けられるのは1事業者につき1度だけです。

助成対象になる経費

助成対象経費は、取組に直接必要な経費のうち、必要最小限で、審査で認められたものです。

経費区分内容の例上限・注意
原材料・副資材費鋼材、機械部品、化学薬品、試験用部品など事業中に使い切ることが原則
機械装置・工具器具費製造機械、計測・検査機器、金型、治具など単価が税抜5万円未満の経費は対象外。中古品の購入は対象外
機器・システム改良費既存設備やソフトウェアの改良自社で改良する経費は対象外
委託・外注費開発・試験、試料の製造・加工・分析など仕様書で実施内容を具体的に指示できるもの
設備等導入費設備・備品の購入費と設置工事など単価が税抜5万円未満の経費は対象外
システム等導入費システム構築、ソフトウェア購入、クラウド利用など単価が税抜5万円未満の経費は対象外
専門家指導費外部専門家への謝金、外部研修の受講料など単独では申請できない
販路開拓経費展示会出展、自社Webサイトの制作・改修など上限500万円
その他経費上記に当てはまらない必要経費上限100万円。単独では申請できない。単価が税抜5万円未満の経費は対象外

次の経費は、どの区分でも対象になりません。

  • 直接人件費
  • 消費税などの租税公課
  • 振込手数料、通信費などの間接経費
  • 土地・建物・車両の購入費
  • パソコンなど、汎用性があって目的外に使えるものの購入費
  • 公社の事前承認なしに変更した経費

申請から助成金を受け取るまで

  1. 申請:Jグランツで電子申請します。第3回の受付は2026年11月30日(月)16時までです
  2. 書類審査:2026年12月から。申請額が100万円以下の場合は、書類審査だけで決まります
  3. 面接審査:2027年1月下旬から2月上旬のいずれか1日、1時間程度。書類審査を通った事業者に日程が知らされます
  4. 交付決定:2027年2月26日(金)予定。申請額が100万円以下なら2027年1月29日(金)予定です
  5. 事業の実施:交付決定日から最大1年間に、契約・実施・支払を終えます
  6. 実績報告:事業の完了後、原則1か月以内に提出します
  7. 完了検査と交付額の確定:検査のあとに助成金の額が確定し、請求して受け取ります

注意したいのは、交付決定の前に発注や契約をした経費は、原則として対象外になることです。展示会の出展料は、会期と支払いが助成対象期間内であれば、申込・契約が期間前でも対象になります。第3回の交付決定は2027年2月26日の予定で、申請の締切から約3か月あきます(申請額が100万円以下なら1月29日の予定で、約2か月)。設備の発注はそれ以降になるので、納期が長い機械を入れるときは、この間のスケジュールを組んでから申請してください。

申請の準備

先にGビズIDプライムを取る

申請はJグランツで行い、GビズIDのgBizIDプライムが必要です。公社のページには、発行の審査に1週間程度かかるという記載と、発行に2〜3週間かかるので事前に登録してほしいという記載の両方があります。締切の11月30日までは4週間ほどなので、アカウントがなければ先に申請しておくのが安全です。

主な提出書類

  • 申請書、誓約書(公社のホームページからダウンロードします)
  • 履歴事項全部証明書(発行後3か月以内。法人)、開業届(個人)
  • 納税証明書(法人事業税、法人都民税、個人の場合は個人事業税など)
  • 決算書の損益計算書(直近決算期と前期、最大2期分)。個人は確定申告書
  • 次期決算期の見込みで申請する場合は、月次試算表
  • 見積書やカタログ。1契約あたり税抜30万円以上の経費に必要で、税抜100万円以上の場合は2社以上の見積書(相見積)が必要です。特段の理由で相見積ができないときは、見積限定理由書を出します

ほかに、設備を入れるなら設置場所の分かる図面、展示会に出るなら出展要項などが要ります。見積書は「一式」とせず、規格・型番・単価・数量の分かるものを出します。

審査で見られる点

書類審査と面接審査で、次の4つの視点が使われます。

  • 効果性:原材料高騰の影響をどの程度やわらげられるか、利益率の改善にどれだけ寄与するか
  • 必要性・緊急性:原材料高騰の具体的な影響の深刻度、その取組が必要不可欠か
  • 取組内容の妥当性:取組が目的に合っているか、技術的・経営的に合理的か
  • 実現可能性:実施体制が整っているか

面接に出られるのは、代表者と、申請書に記載のある役員・従業員の最大2名です。顧問や経営コンサルタントの同席、代理出席はできません。面接日の変更もできないので、面接期間の2027年1月下旬から2月上旬は、いつでも対応できるように予定を空けておいてください。

つまずきやすい点

  • 交付決定の前に発注してしまう:交付決定前の発注・契約は、原則として対象外です。見積もりを取るのは構いませんが、契約はしないでください
  • 支払い方法:支払いは助成事業者名義の口座からの振込が原則です。現金は税抜10万円以下の契約に限られ、クレジットカードは法人カード(個人は代表者の個人カード)で、助成対象期間内に口座から引き落とされたものだけが対象です。カード払いで引き落としが翌月になり、期間を超えるケースが多いと募集要項が注意しています
  • 第2回に申請している場合:第2回で申請中の間は、第3回に申請できません
  • 取組の関連性:自社の事業内容と関連が薄い取組は対象外です。単に原材料を別のものに替えるだけの取組も対象外になります
  • 公社の事前承認なしの変更:申請書に書いていない物品を買うなど、承認なしに変更した経費は対象外です

よくある質問

個人事業主でも申請できますか。

できます。個人事業者は、納税地が都内にあることなどが要件です。

代理で申請してもらえますか。

Jグランツ上の最初の申請に限り、行政書士などの第三者が代理申請機能で作成できます。申請内容の確認と提出は、申請者本人が行います。助成対象経費に関わる外注先の事業者は、代理申請を請け負えません。

営業利益率が下がっていなければ申請できませんか。

いずれにも当てはまらない場合は、要件を満たしません。直近決算期の営業利益率が下がっている、次期決算期に下がる見込み、直近決算期が営業損失のいずれかが必要です。次期決算期の見込みで申請する場合は、月次試算表から算出して申請書に記入します。

問い合わせ先はどこですか。

公社の事務局(電話03-4376-5728、平日9時から17時、年末年始を除く)です。お問い合わせは、申請する事業者ご本人からとされています。審査の内容や結果への問い合わせには答えてもらえません。

申請の相談

この助成金は、利益率の要件、交付決定前の発注、支払い方法など、申請の前に決めておくことが多い制度です。松嶋が補助金・助成金の選び方から、事業計画の整理、申請書類の準備まで、Zoomの面談でご相談を受けています。補助金の相談は補助金申請のサポートのページから、ほかの制度を探す場合は補助金データベースをご覧ください。

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